AIでkintoneカスタマイズしてますか!
はい。AIでしかしてません。だいもんです。
AIにコードを書かせることが、当たり前になってきました。
コードを書くのはもう人間の仕事ではないですね。
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「kintoneでこの画面にボタンを追加したい」
「保存前に入力チェックしたい」
「条件によってフィールドを制御したい」
こういうことをAIにお願いすると、ものの十数秒でJavaScriptを書いてくれます(もちろん内容によります)。特別な指示をしなくても、UIなどの見た目もかなりきれいに作ってくれるようになってきました。
慣れてきちゃったところもありますが、冷静に考えると、これってやっぱりすごいことです。ということを忘れずにいたい。
ただ、kintoneカスタマイズとして考えると、そこで一度立ち止まりたい場面があります。
そのUIは、kintoneの標準画面とうまく共存できるでしょうか。
あとから別の人がメンテナンスできるでしょうか。
kintoneのアップデートがあったときに、壊れにくい作りになっているでしょうか。
AIが作ったものが「きれい」であることと、業務で長く使えることは、必ずしも同じではありません。
kintoneにはkintoneの作法があります。お作法に沿って追加機能を実現するために用意された、JavaScript APIもありますし、REST APIもあります。最近はUIまわりのAPIもどんどん強化されています。
だから、AIにkintoneカスタマイズを手伝ってもらうなら、
「何を作りたいか」
だけじゃなくて、
「kintoneではどう作るのがよいのか」
も一緒に伝えてあげる必要があると思っています。という記事です。
kintoneのAPIやUIも、ちゃんと進化している
kintoneはノーコードで業務アプリを作れるサービスですが、JavaScript APIやREST APIを使うことで、さらに業務に合わせたカスタマイズができます。
そして、そのAPIはどんどんアップデートされ、新しい機能も追加されています。
たとえば2025年11月のアップデートでは、レコード一覧画面、レコード詳細/編集画面、レコード追加画面で利用可能なショートカットキーの有効/無効をJavaScript APIで変更できるようになりました。
これにより、カスタマイズで作成したUIを、kintone標準のショートカットキーで迂回できないようにする、といった制御がしやすくなっています。
参考:
また、2025年12月のアップデートでは、プロセス管理のアクションボタンの表示・非表示を変更したり、表示状態を取得したりするJavaScript APIが追加されています。
参考:
さらに、2026年1月のAPIアップデートでは、プロセス管理の「現在の作業者を変更」ボタンの表示制御、一覧を選択するパーツの選択肢の表示制御、グラフ一覧の取得など、UIや画面上の操作に関わるAPIが追加されています。
参考:
こういうアップデートを見ていると、kintoneカスタマイズは、
「標準画面を無理やり作り替える」
というより、
「標準画面の上に、必要な機能を自然に足していく」
方向に進んでいるように感じます。
そして、今もなお、新しく生まれた機能のことを、AIが最初から知っているとは限りません。
僕らが知り、AIに伝える。伝えれば、公開されている情報なら調べにいってくれるし、それを使って動いてくれる。
だからこそ、AIになにかを頼むとき、あなたが最新の情報、つまりAPIやUIの考え方を知っているかどうかで、生み出されるものが大きく変わってきます。
AIはきれいに作ってくれる。でも、それは長く使えるカスタマイズだろうか
たとえば、AIにこんな感じで頼んだとします。
kintoneで、レコードを保存しようとしたときに確認画面を表示してください。 確認画面には、保存前のレコード内容から以下を表示してください。 - 顧客名 - 対応日 - 対応内容 確認画面には、次のメッセージを表示してください。 「この内容で保存してよろしいですか?」 OKを押したら保存を続行してください。 キャンセルを押したら保存を中止してください。 レコード追加画面とレコード編集画面の両方で動くようにしてください。 kintone既存のUIに対して違和感が少ないデザインを目指して実装してください。
最近のAIなら、このくらいの依頼でもかなりきれいなコードを書いてくれます。
独自のボタンを作って、確認用のモーダルを作って、CSSで見た目も整えてくれるかもしれません。
ぱっと見た感じでは「これでいいじゃん」と思えるものが出てくることもあります。

ただ、その実装がkintoneカスタマイズとして長く使いやすいかは、また別の話です。
たとえば、次のような実装になっているかもしれません。
- 独自のHTMLで画面を大きく作り込んでいる
- 独自のモーダルダイアログを実装している
- CSSでkintoneっぽく見せようとしている
- kintone画面内のDOMを直接探して要素を差し込んでいる
- 標準機能やJavaScript APIでできることを、独自実装している
これでも、その場では動くかもしれません。
でも、あとからメンテナンスしづらくなったり、kintoneのアップデートで壊れやすくなったり、他のカスタマイズやプラグインと干渉しやすくなったりする可能性があります。
つまり、きれいに作られていても、使い捨ての画面になってしまうかもしれない、ということです。
AIは、こちらの要望をかなり高い精度で形にしてくれます。
だからこそ、最初にどんな前提を渡すかが大事になります。
AIに対して、
「kintoneではこう作るとよい」
という前提を渡していないと、AIは一般的なWebアプリの作り方で考えてしまうことがあります。
だからこそ、kintoneのお作法にのっとって、APIを使うメリットを理解しておくことが大事になります。
たとえば、kintoneのJavaScript APIやREST APIを使うことで、次のようなメリットがあります。
- 画面表示、保存前、値変更など、適切なタイミングで処理を動かせる
- レコード情報をAPIで安全に取得・操作しやすい
- スペースフィールドやメニュー領域など、標準画面になじむ場所にUIを追加しやすい
- 標準機能、プロセス管理、アプリアクションなどと組み合わせて考えやすい
- kintoneの画面DOMに依存しすぎない実装にしやすい
- 後から見た人が「kintoneのカスタマイズ」として理解しやすい
見た目だけではなく、運用・保守・アップデートへの強さも考えたカスタマイズに近づける。
これが、kintoneのお作法に則ってAPIを使うメリットです。
どう頼めばよかったのか
では、AIにはどう頼めばよかったのでしょうか。
たとえば、こういう前提と要件を渡しておくとよさそうです。
kintoneのカスタマイズをしましょう。 以下の方針で実装してください。 - メンテナンス性を重視し、カスタマイズに必要な機能をkintoneが提供する公式APIで実現できる場合は、優先して使用し、独自実装を極力避けてください - kintone既存のUIに対して違和感が少ないデザインを目指してください - 公式APIは常に更新されています。APIがあるかの確認、APIの仕様は最新の情報を参照してください - APIの選定、使用した・しなかった意図を必ず説明してください - 要件の意図が不明瞭でカスタマイズの方針が決まらない点があれば、必ず私に質問してください # 要件 kintoneで、レコードを保存しようとしたときに確認画面を表示してください。 確認画面には、保存前のレコード内容から以下を表示してください。 - 顧客名 - 対応日 - 対応内容 確認画面には、次のメッセージを表示してください。 「この内容で保存してよろしいですか?」 OKを押したら保存を続行してください。 キャンセルを押したら保存を中止してください。 レコード追加画面とレコード編集画面の両方で動くようにしてください。 kintone既存のUIに対して違和感が少ないデザインを目指して実装してください。
こういう頼み方をすると、AIは単にコードを書くのではなく、kintoneの標準画面やAPIを前提に考えやすくなります。

要するに、AIに必要なのは「作業指示」だけではないということです。渡した指示をどう解釈したのか、これからどう動くつもりなのか、それを確かめて、GOを出すのは必ず人間です。
この対話をより精度高く、有意義にするために、kintoneカスタマイズにおける作法や判断基準も、一緒に渡してあげる必要があります。
その前提を「スキル」として整えておく
最近のAI活用では、「スキル」という考え方も出てきています。
たとえばClaudeには、Agent Skillsという仕組みがあります。
Anthropicの解説では、スキルは SKILL.md ファイルを含むディレクトリとして説明されています。そこに、AIが特定の作業を行うための手順や知識、必要なリソースなどをまとめておくイメージです。
参考:
「スキル」ってなんですか?と聞かれたとしたら、「AIに対する指示出しや指示の前提を、整理したもの」、と答えます。
AIに何かをさせるとき、毎回その場で全部を説明するのではなく、あらかじめ「どう考えてほしいか」「何を前提にしてほしいか」「何を守ってほしいか」を渡しておく。
kintoneカスタマイズに限った話ではなく、スキルというのは、AIに仕事を任せるための基盤そのものだと思います。
そのうえで、kintoneカスタマイズをAIに頼むなら、
「kintoneカスタマイズではこう考える」
「こういう実装は避ける」
「こういうAPIを優先して使う」
「レビューではここを見る」
という内容を、AIが参照できる形でまとめておく。
たとえば、こんな感じです。(あくまで一例です)
# kintone Customization Skill ## 目的 kintoneカスタマイズを実装するときは、単に動くコードではなく、kintoneの公式API・標準UI・イベント仕様に沿った、保守しやすい実装を優先する。 ## 基本方針 - メンテナンス性を重視する - kintoneが提供する公式APIで実現できる場合は、独自実装より公式APIを優先する - 既存のDOM構造に強く依存する実装は避ける - kintone既存のUIに対して違和感が少ないデザインを目指す - 標準機能、プロセス管理、アプリアクション、権限設定で実現できることは、カスタマイズ前に検討する - 要件の意図が不明瞭で方針が決まらない場合は、実装前にユーザーへ質問する ## 公式APIの確認 - kintoneの公式APIは常に更新されているため、実装前に最新の公式情報を確認する - 要件に適合するJavaScript API / REST API / UI系API / イベントがあるかを確認する - 使用したAPI、使用しなかったAPI、独自実装を選んだ理由を必ず説明する - 古い知識や過去の実装例だけで判断しない ## UI実装の方針 - UIを追加する場合は、まずkintoneの公式APIで取得できる領域や、公式UI系APIの利用を検討する - ブラウザ標準の `alert()` / `confirm()` / `prompt()` は安易に優先しない - 確認ダイアログ、通知、ローディング、メニュー領域、スペースフィールドなどについて、kintone公式APIで実現できるか確認する - 独自HTML/CSSでkintone風UIを一から作る前に、公式APIで実現できないか検討する - 独自UIが必要な場合は、その理由と保守上の注意点を説明する ## イベント・データ操作の方針 - 画面表示、保存前、保存後、値変更など、目的に合ったkintoneイベントを選ぶ - 保存前の入力値は、原則として `event.record` から取得する - 画面上の最新状態を取得する必要がある場合のみ、`kintone.app.record.get()` を検討する - 保存を中止する場合は、kintoneのイベント仕様に沿って実装する - 非同期処理を含む場合は、Promiseを返す必要があるか確認する - レコード取得・更新には、必要に応じてREST APIを検討する ## 出力ルール コードを書く前に、必ず以下を説明する。 1. 要件の理解 2. 確認が必要な点 3. 使用するAPI・イベント 4. そのAPIを使う理由 5. 使用しないAPI・独自実装を選ぶ場合の理由 6. 実装方針 その後にコードを提示する。 ## 非推奨 以下は原則として避ける。 - 公式APIで実現できる処理を独自DOM操作だけで実装する - kintoneの内部DOM構造やクラス名に強く依存する - 理由なく `alert()` / `confirm()` / `prompt()` を使う - フィールドコードを推測してコードを書く - API選定理由を説明せず、いきなりコードだけを提示する
こういうものがあると、AIへの頼み方が変わります。
そして、出てきたコードの見方も変わります。
「動いたからOK」ではなく、
「kintoneらしい作り方になっているか」
「今後もメンテしやすいか」
「標準機能と矛盾していないか」
を見られるようになります。
これが、AIに渡すスキルを整えるということだと思います。
人間側のスキルも、やっぱり大事
ここまでAIに渡すスキルの話をしてきました。
でも、もっと大事なのは人間側のスキルです。
AIがあれば、非エンジニアでもkintoneカスタマイズに挑戦しやすくなると思います。これはすごく楽しい。いわゆる市民開発の可能性も広がると思います。
ただし、
「AIがコードを書いてくれた」
「とりあえず動いた」
だけで、本当に業務で使ってよいかは別の話です。
そのカスタマイズが本当に必要なのか。
標準機能でできないのか。
業務の流れに合っているのか。
権限やプロセス管理と矛盾していないのか。
ユーザーが迷わないUIになっているのか。
将来のkintoneアップデートで壊れやすくないのか。
こういうことを判断するのは、やはり人間です。
AIはコードを書くスピードを上げてくれます。
でも、何が正しいのか、何を優先すべきなのか、業務に合っているのかを決めるのは人間です。
なので、AI時代のkintoneカスタマイズで必要なのは、全部のコードを自分で書く力だけではないと思っています。
AIに正しい前提を渡す力。
AIの出力をレビューする力。
kintoneの標準機能・API・UIの考え方を知っておく力。
これが人間側に求められているスキルじゃないかな、と考えています。
まとめ:人もAIも、スキルを整えよう
AIによって、kintoneカスタマイズ(コーディングをしてなにかを作り出す行為)はこれからもっと身近なものになると思います。
JavaScript、プログラミングが得意ではない人でも、AIに相談しながらカスタマイズに挑戦できる場面は増えていくはずです。
ただし、AIに任せるためには、AIに正しい前提を渡す必要があります。
kintoneにはkintoneらしい作り方があります。
標準機能、JavaScript API、REST API、画面UIの考え方。
それらを知って、整理して、AIに伝えられるようにしておくことが大事です。
人もAIも、kintoneカスタマイズのスキルを整える。
これからのkintoneカスタマイズでは、そんな考え方が大事になっていくんじゃないでしょうか。
AIをフル活用した業務改善「スキル39」
AIとkintone開発をしたい。AIと業務改善をしたい。ジョイゾーではそんな企業様向けのサービスも始めました。人とAIがどうやってスキルを磨いていったらいいの?とお悩みであれば、お気軽にご相談ください。
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