※2023年7月のkintoneアップデートにより、記事の内容に変更があります。
皆様こんにちは！
ジョイゾーの倉石と申します。
今回は、kintone標準機能で設定することができる、プロセス管理の変更や削除を行うときの注意点についてご説明していきたいと思います。
プロセス管理とは？
まずはプロセス管理について軽くおさらいしましょう。
プロセス管理は複数のユーザーで業務プロセスに沿った進捗を管理することができる機能です。
例えば「休暇申請」や「社内業務のタスク管理」として使ったことのある方も多いのではないでしょうか。
プロセス管理を使うことで、社内のタスク管理やワークフローの設定が可能となります。
そんな便利なプロセス管理ですが、修正や変更を行うときにエラーが発生することがあります。
今回は、その「エラー」の原因と解決策をお伝えし、皆様がさらにプロセス管理を活用できるようなお手伝いをしていけたらと思います！
プロセス管理編集パターン
プロセス管理の編集は、主に3つのパターンに分かれます。
- ステータスを編集するパターン
- アクションを編集するパターン
- 作業者を編集するパターン
エラーと一口に言っても、その原因はパターンによって様々です。
それぞれのパターンごとに起こりうるエラーや気を付けるべきポイントについて見ていきましょう。
プロセス管理設定
「社員日報アプリ」というアプリを作成し、プロセス管理の設定を行いました。
本題に入る前に、基本的なプロセス管理の設定方法と社員日報アプリのプロセス管理設定について軽くご説明します。
＜基本的な設定方法＞
①アプリの設定から「プロセス管理」を開きます。
②「プロセス管理を有効にする」にチェックを入れます。
③ステータス、プロセスの設定をします。
＜社員日報アプリ プロセス管理設定＞
◆ステータス
・未完成
・提出済み
・差し戻し
・確認完了
◆プロセス
①作成者が日報を作成し、プロセスを回し「提出済み」にします。
②確認者（部長）が内容を確認したのち「確認完了」もしくは「差し戻し」にプロセスを回します。
③「差し戻し」の場合は作成者は再提出を行う必要があります。内容を修正し、プロセスを回し「提出済み」にします。
④確認者（部長）が内容を確認したのち「確認完了」にプロセスを回します。
ステータスを編集するパターン
まずは、ステータスを編集するパターンから見ていきましょう。
このパターンでは、ステータスを削除するときにエラーが発生することがあります。
＜デモ＞
今設定されているステータスの中で「差し戻し」を削除するシチュエーションでご説明します。
早速「差し戻し」を削除し、保存したのちアプリの設定に反映させます。
するとこのようなエラーが発生しました。
＜追記＞
2023年7月のアップデートで、ステータスの削除ができない場合、削除ボタンクリック時にエラーメッセージを表示させる仕様に変更となりました。
詳しくはアップデート情報をご覧ください。
差し戻しの削除ボタンを押すと下記のエラーが発生しました。
削除しようとしているステータスのレコードが存在するため、ステータスを削除できません。該当レコードを削除するか、他のステータスに変更すると、削除できるようになります。
なぜこのようなエラーが起こってしまったのか、その原因はアプリ内レコードのステータスにあります。
下記画像をご覧ください。
画像を見ていただくと分かるように、現在のステータスが、削除しようとしているステータスになっていますね。
このエラーが起こる原因は、このように運用中のアプリの中に削除しようとしているステータスのレコードがあるということなのです。
ステータスを削除する場合、そのステータスのレコードが存在しない場合のみ、ステータスを削除することができます。
該当レコードのステータスを更新することによって、プロセス管理の設定を変更できるようになります。
◉注意◉
ステータスの名前を変更する場合、過去に削除したステータスと同じステータス名を付けることはできません。
ステータスの名前が変更できない場合、もしかしたら過去に削除した名前で登録しようとしているかも！お気をつけください。
過去にこの注意点に関するブログを投稿しておりますので、詳しくはこちらをご覧ください。▼
アクションを変更するパターン
続いて、アクションを編集するパターンです。
アクションもステータス同様、削除する際に注意が必要です。
＜デモ＞
「差し戻しにプロセスを回す」アクションを削除するシチュエーションでご説明します。
アクションを削除しアプリへ反映させたところ、次のようなエラーが発生してしまいました。
処理に失敗しました。（エラーの内容：GAIA_US02: プロセス管理のアクションを削除できません。アクションを削除すると、実行できるアクションがなくなる作業者が運用中のアプリにいます。）
なぜこのようなエラーが起こってしまったのでしょうか。
その原因は下記画像のようなレコードが存在しているからなのです。
ステータスが「差し戻し」になっていますね。
本来であれば「差し戻し」の後は作成者が「提出済み」にプロセスを回さなくてはなりません。
しかし、先ほど「差し戻し」に関わる設定を削除したため、現在のステータスが「差し戻し」の状態のレコードが存在する場合、該当の作業者はプロセスを回すことができなくなります。
つまり、アクションを削除したときに、実行できるアクションがなくなってしまう作業者が出てきてしまうのです。
アクションは、次の条件の両方に当てはまる場合削除することができません。
- 削除予定のアクションに該当するステータスのレコードが存在する
- 該当のアクションを削除すると、上記のレコードで実行できるアクションがなくなる
もし、このエラーメッセージが表示された場合は上記二つに当てはまっている可能性があるので、アプリ内レコードの現在のステータスを確認してみてください。当てはまっていた場合は、ステータスを更新してください。
作業者を変更するパターン
最後は、作業者を変更するパターンです。
＜デモ＞
ここでは、「提出済み→差し戻し」、「提出済み→確認完了」のプロセスを回す人が部長から課長に変わったというシチュエーションでご説明していきます。
早速、作業者を部長から課長に変更します。
この状態で保存ボタンを押し、アプリの更新を行いました。
すると、このようなエラーが発生しました。
処理に失敗しました。（エラーの内容：GAIA_IL 35：プロセス管理の作業者の設定を変更できません。運用中のアプリにある作業者の設定を変更するステータスのレコードに作業者が指定されています。）
なぜこのようなエラーが発生してしまったのでしょうか。
実は、この原因は「現在の作業者」にあります。
下記画像をご覧ください。
作業者が、設定変更前の「部長」になっていますね。
プロセス管理の作業者の設定を変更しようとしたとき、すでに該当ステータスのレコードが存在し、作業者が割り当てられているとエラーが発生してしまいます。
作業者を変更するには、該当レコードを1件ずつ次のステータスに進める必要があります。
作業者が変更できないときはアプリ内のレコードの現在の作業者を確認してみてください。
◉注意◉
現在の作業者がステータスを進めることができない場合、アプリ管理者が作業者を変更してください。
作業者の変更方法
まとめ
では、本日お話しした内容をパターンごとに振り返りましょう。
- ステータスを編集するパターン
＜気をつけること＞
ステータスを削除する場合、そのステータスのレコードが存在する場合は削除することができません。
＜エラーが起こった時はどうすればいい？＞
該当のレコードのステータスを更新することによって、プロセス管理の設定を変更できるようになります。
- アクションを編集するパターン
＜気をつけること＞
アクションは、次の条件の両方に当てはまる場合削除することができません。
◆削除予定のアクションに該当するステータスのレコードが存在する
◆該当のアクションを削除すると、上記のレコードで実行できるアクションがなくなる
＜エラーが起こった時はどうすればいい？＞
アプリ内レコードの現在のステータスを確認し、もし上記二つの条件に当てはまる場合はステータスを更新してください。
- 作業者を編集するパターン
＜気をつけること＞
プロセス管理の作業者の設定を変更しようとしたとき、すでに該当ステータスのレコードが存在し、作業者が割り当てられている場合は設定を変更することができません。
＜エラーが起こった時はどうすればいい？＞
作業者を変更するには、該当レコードを1件ずつ次のステータスに進める必要があります。作業者が変更できないときはアプリ内のレコードの現在の作業者を確認してみてください。
さいごに
今回は、プロセス管理の削除・変更を行うときの注意点と、起こりうるエラー、そしてその解決策についてお話してきました。
「プロセス管理の設定を変更したらエラーが起こってしまった…。」
そのような場面に直面した時はぜひこのブログを思い出してみてください！
また、今回ご紹介した内容はサイボウズのヘルプページにもございます。
下のリンクをクリックしていただくと閲覧できますので是非ご覧ください！▼
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