こんにちは、笹川です。
ついにkintoneアプリが完成!早速使いたいところですが、できればこれまでExcelなどで管理してきた過去のデータを入れておきたいですよね。
kintoneはCSVやExcelファイルを読み込むことができるので、大量の過去データを登録することができます。(操作方法はこちらのヘルプサイトサイトをご覧ください。)
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しかし、ファイルの読み込みには注意すべきことが色々あります。「挑戦してみたけれどうまくいかなかった」という経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
読み込みに失敗したり、読み込みは成功したはずなのに、なぜか値が入っていなかったり…。何度も失敗するとツラいですよね。
そうならないように気を付けておくべきポイントをまとめました。ぜひお役立てください!
ファイルから読み込む前に、まずはファイルから「書き出す」
実は、一番の近道は「ファイルを書き出す」ことです。一度すべての項目に入力したものを書き出すことで、サンプルファイルとして活用できるからです。(以前にブログで紹介していますので併せてお読みください。)
また、ファイルから読み込むときは、どの列の値がどのフィールドに入るのかを対応付けする必要がありますが、列名をフィールド名と同じにしておくと、kintoneが対応付けを自動でやってくれるので便利です。
ファイル読み込みで失敗しないために気を付けるべきポイント
それでは「会社情報を登録する」というシチュエーションを例に、失敗しがちなポイントをフィールドごとに整理していきます。
kintoneのフィールドはそれぞれ登録できるデータの型が決まっているので、それぞれの特徴をおさえておきましょう。
アプリにこのような入力項目を用意しました。ここにファイルを読み込んでテータを登録します。
「数値」フィールドに文字列を入れようとしていないか?
数値フィールドには数値しか入りません。当たり前のことに聞こえますが、意外と見落としがちです。
用意したアプリでは「資本金」というフィールドが数値フィールドですが、ここに次のようなCSVを読み込もうとするとどうなるか。
このような注意文が表示されてしまい、ファイルを読み込みを実行することができません。
注意文だとやや具体性に欠けるので分かりにくいですが、ファイル4行目の「資本金」の値、つまりセルF4の”1,000万円”を確認してねという内容です。
“1,000万円”を”1000″と修正しましょう。このとき、単位などの文字だけでなく「,」が付いていると数値フィールドでは読み込めないので注意してください。
また、このときに4行目の値だけではなく、他にもおかしい値が入っていないかを確認しておくとよいでしょう。 kintoneは上から順に1行ずつチェックをしますので、値がおかしい行があればそこで読み込みをストップします。
4行目の値がおかしいと注意文に表示されていれば、5行目以降は未確認ということになります。 元のファイルには似たような値が登録されている可能性が高いので、チェックをしておけば同じエラーで引っかかることはありません。
「ドロップダウン」「ラジオボタン」に選択肢にない値を入れようとしていないか?
「ドロップダウン」や「ラジオボタン」は選択肢として用意された値のみを読み込むことができます。逆に言えば、それ以外は取り込めないのです。
さきほど用意したアプリには、「業種」というドロップダウンに”建設業”、”製造業”、”情報通信業”という選択肢を設けてあります。そこに、敢えて登録のない”卸売業”を含むCSVファイルを読み込もうとするとどうなるか。
読み込みを実行することはできましたが、読み込みは失敗してしまいました。
エラーメッセージの詳細というリンクから、ファイルを読み込んだ結果を見にいくと詳細を確認することができます。
この場合は、選択肢に無かった卸売業をドロップダウンに追加すればOKです。
読み込む前にCSVファイルでフィルターをかけるなどして、選択肢にない値がファイルに無いか確認しましょう。Excelが得意な方は、ピボットテーブルなどを利用して集計をしてみるのもおすすめです。
「チェックボックス」「複数選択」はどうやって登録するのか?
選択肢にあることは確認したぞ!と張り切って読み込みをしようと思ったのに、どうもうまくいかないのが「チェックボックス」「複数選択」です。
選択肢を複数選べる項目はファイルにひと工夫必要です。
アプリには”DM不可”や”電話不可”というように、対応について注意が必要な場合にチェックを入れる項目があります。
読み込ませるファイルは一例としてこのようにデータを持っていることにします。
ところが、いざ読み込みをしてみようとすると、どうもフィールドとファイルが合いません。
ではどうするのか。
先でご紹介したように、一度レコードを登録して書き出してみると分かるのですが、正解はこのような形式です。
「チェックボックス」「複数選択」は選択肢ごとに列を用意し、チェックをする場合は1とします。
この形式にデータを変換するのは少し大変かもしれませんが、もし先の例のようにカンマ区切りでデータを持っているとしたら「まず列に分けてから値を1に置換する」という方法が一番簡単なので挑戦してみてください。
※参考:カンマ区切りにして値を1に置換する方法
カンマ位置で区切るのは、Excelの区切り位置指定ウィザードを使用すると簡単です。
列に分けたら、Ctrl+Fで”検索と置換”を呼び出し、置換タブを選択します。文字列を1に置換します。
ファイルの読み込みは成功したのに値が入らない「ユーザー選択」「組織選択」の謎?
「ユーザー選択」「組織選択」はCSVファイルの読み込みで質問をいただくことが多いフィールドです。読み込みは無事に完了したのに値が入っていないのはなぜか、というお問い合わせです。
実は、ユーザー選択に値をいれるとき、ファイルに必要なのは”表示名”ではなく”ログイン名”なのです。
ちなみに、組織選択は組織コードを使用します。以前のブログで詳しくご紹介しています。 ログイン名は管理者であれば「cybozu.com共通管理」から確認することができます。
CSVに登録されている氏名をログイン名に置き換えるのは、先ほどご紹介した置換を使えば簡単です。
また、ユーザー情報はファイルとして書き出すこともできるので、Excelが得意な方であればvlookup関数を使うともっと早く作業ができそうです。vlookup関数は便利な関数なので、これを機にマスターしておくとよいかもしれません。
参考:vlookup関数で担当者のログイン名を取得する方法
読み込ませたいファイルの”営業担当”に対して、kintoneから書き出したユーザー情報ファイル(users.csv)の”表示名”で一致するものがあるかどうかをチェックします。一致するものがあれば、該当する表示名と同じ行にあるログイン名の値を返します。
フィールドの特徴を理解してスムーズなファイル読み込みを!
フィールドごとに気を付けるべきポイントを知っておくだけで、CSVの読み込みをスムーズに行うことができます。エラーをできるだけ少なくして、ストレスのないデータ移行を実現しましょう。
さて、今回は単一のアプリにファイルを読み込む場合を例にしましたが、kintoneは複数のアプリを関連付けて便利に使うことができます。その場合、単一アプリのときとは異なるポイントで注意が必要です。
というわけで、次回は関連付けされた複数のアプリにレコードを読み込むときの注意点をまとめていきます。お楽しみに!
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