◯kintone導入前はどのような形で業務をされていましたか？

当社は愛知県を中心に、高齢者やそのご家族に最適な有料老人ホームや介護施設を紹介する事業を展開しています。
kintone導入前の業務管理はアナログな手法で、お客様情報や案件進捗はExcelファイルで管理し、提携施設は壁に貼った地図に直接記入していました。
当初はこうした手法でも回せるほどの事業規模でしたが、利用者数と提携施設が増大するにつれ、従来の業務スタイルでは明らかに限界が見えてきたのです。

課題は大きく三つありました。第一に、情報セキュリティの強化です。
事業の特性上、高齢者の健康状態といった極めてデリケートな個人情報を取り扱っており、堅牢な情報管理体制は必須でした。
当社はプライバシーマーク取得企業として情報漏洩などのインシデントを起こさず、個人情報の適切な管理に努めてきましたが、DX化によって情報管理基盤のさらなる強化の必要性を感じていました。
第二に、業務効率の向上です。増加する提携施設の情報をExcelだけで管理するのは効率面から難点がありました。
また、ケアマネージャーやケースワーカーといった施設を紹介して頂ける紹介者との関係性も営業スタッフ個人の記憶に依存していたため、チーム内での情報連携が滞り、同一の施設紹介者への非効率な重複アプローチも発生していました。
第三に、案件進捗管理の複雑さです。施設紹介プロセスは時間がかかるもので、ご相談から入居施設のマッチングを経て、入居先の決定、そして実際の入居まで短くても1ヶ月、長ければ半年から1年かかるため、20件ほどの案件を同時進行で対応していくような状況で、さらに健康診断や各種書類の準備、高齢者の体調変化など予測困難な変動要素も多く、こうした複雑な対応履歴をExcelのみで追跡管理することは困難でした。

• 高齢者の健康状態を含む機微な個人情報を扱う事業の特性上、より強固な情報セキュリティ体制の構築が必須だった
• 約700件にも及ぶ提携施設情報のExcel管理では情報の共有性が低く、営業活動の非効率さに繋がっていた
• 複数案件を同時並行で管理する必要があるが、従来のExcelによる対応履歴の追跡と進捗管理に限界があった

• 個人情報管理のコンプライアンスが強化され、お客様や取引先からの信頼性がより一層向上した
• 施設紹介者の情報の可視化により、営業スタッフ間の重複アプローチがなくなり、接点管理の効率が大幅に向上した
• 複数の案件を同時進行で管理する際の対応履歴がリアルタイムで共有されるようになり、進捗把握の品質が改善された。

◯システム化を行った結果、どのような業務改善が図れましたか？

ジョイゾーさんのサポートを受け、施設紹介業務用の「紹介情報管理」「施設マスタ」「紹介可能施設マスタ」「紹介者リスト」と、「アンガーマネジメント講習管理用アプリ」の計5つを構築しました。
メインで活用している紹介情報管理アプリでは、施設マスタ情報と連携し、利用者への対応履歴を一元管理しています。
これにより案件の進捗状況が明確になり、複数案件が並行していても情報の抜け漏れが大幅に減少しました。
特に効果を実感しているのは紹介者管理の効率化で、約40名の施設紹介者の情報がkintone上で可視化されることで、どの営業スタッフがどの紹介者を担当しているのかが一目瞭然になり、同じ施設紹介者に複数スタッフが重複してアプローチするといった無駄が解消されています。

◯現在のkintoneの運用状況

kintoneは既に日常業務に定着しています。
システム選定時に重視した「使い勝手の良さ」は期待通りで、直感的な操作性により現場への浸透もスムーズでした。
案件管理は個人ごとに行いながらも、全員が全体を閲覧できる設計で業務の透明性が向上しています。
kintoneのスペース機能も効果的に活用しており、施設からの連絡事項や空室情報の記録に使っています。
やりとりは履歴として残るので情報が散逸せず、チーム全体の情報共有が格段に改善しました。
操作方法については必要に応じてネットで検索しています。
今後はジョイゾーさんが運営する「キントマニア」も参考にしながら活用の幅を広げていきたいと考えています。

◯ジョイゾー選択したポイント

kintone導入に際して複数の開発会社を検討しましたが、ジョイゾーさんの「システム39」プランが決め手となりました。
2時間×3回の打ち合わせで39万円という明瞭な料金体系が分かりやすかったです。
他社では「詳細仕様が決まらないと見積もり出せない」という対応が多く、仕様を細かく詰める手間から敬遠した経緯があります。

実際の開発では、ジョイゾーさんのエンジニアの方々の理解力に感銘を受けました。
初めて触れる当社の業務内容を的確に把握し、要望を具体的なシステム設計に素早く落とし込む能力は秀逸です。
複数のエンジニアが在籍する開発会社であることも、充実したサポート体制を期待できそうで、ジョイゾーさんに依頼する際の安心材料になりました。

◯打ち合わせにおいて、Zoomの対応にどのような印象を持たれましたか？

リモートによる対面開発が予想以上に効果的でした。
画面共有を通じて実際にkintoneを操作しながら開発が進められるため、打ち合わせに参加するだけでkintoneの知識が自然と深まっていきました。
ただシステムを納品するだけでなく、クライアントのkintoneへの理解度を高めつつ開発を伴走して頂けました。
おかげで日々の細かな改修作業は自分たちで対応できるようになっています。

◯今後のkintone利用の展望

情報セキュリティの強化は極めて重要です。
今の時代、個人情報を扱う企業にとって「Excelで管理している」という状態は社会信用上、ネガティブな印象を与えかねません。
介護福祉分野でもセキュアな情報管理体制がスタンダードになりつつある中、kintone導入はその意味で重要な一歩だったと実感しています。
現時点では目的を達成できているため、新機能の追加や大幅な変更は検討していません。
まずは既存システムの活用を徹底し、業務プロセスの最適化を進めていきたいです。
将来的により高度な機能拡張が必要になれば、再びジョイゾーさんの力をお借りできればと思っています。