こんにちは、ジョイゾーでエンジニアをしている大木です。
今回は、選択肢フィールドを利用した、kintoneの自動計算の便利な活用方法をお伝えしたいと思います。
例えば、kintoneでルックアップ機能を使ってデータを自動取得できるのは非常に便利ですが、 こんな悩みを抱えたことはありませんか?
- ルックアップで取得した価格を変更したいが、編集ができないので変えられない
- ルックアップを使いつつ、状況に応じて手動で特定のデータを調整したい
ルックアップした際、ルックアップによって情報が入力されたフィールドは、グレーアウトし、編集ができなくなってしまいます。
そのため、このようなケースでは、ルックアップの値を保持しつつ、手入力も可能にする仕組みを作る必要があります。
そこで、上記問題を解決するために、どのように自動計算を活用すれば良いのかご紹介したいと思います!
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ルックアップを使うと手入力ができない?
kintoneのルックアップ機能は、他のアプリに登録されている情報を参照してデータを取得(コピー)する機能です。
ルックアップを使うと、別のアプリから簡単に情報を取得することができて便利です。しかし、取得した値はグレーアウトし、編集ができなくなるため、営業の際に自分の裁量で価格を変更したい場合などには不便を感じることがあります。

例えば、商品マスタアプリから単価を含む商品情報をルックアップで取得し、明細を作成する場合を考えてみましょう。
- 動作:情報を取得すると、単価がルックアップで自動入力される
- 問題点:営業担当が割引価格を適用したい場合でも、ルックアップされた単価はグレーアウトするため手入力できない
このような問題を解決するためには、どのような設定をすれば良いのか。
早速ご紹介していきたいと思います!
値が入っているかを基準にIF関数で切り替える
まずはシンプルな方法からご紹介します。
この方法では、手入力用のフィールドを作成して、そこに値が入っている場合に、手入力の価格を採用します。では実際に設定してみましょう!
手順

①「ルックアップ価格」フィールド(ルックアップで取得する価格)を作成
②「手入力価格」フィールド(ユーザーが編集可能な価格)を作成
③「価格」フィールド(最終的な価格)を作成し、以下のIF関数を設定
IF(手入力価格 = "", ルックアップ価格, 手入力価格)
手順に従って設定を行うと、以下のようになります。
・手入力価格フィールドに値無し:価格フィールドにルックアップの値が反映
・手入力価格フィールドに値有り:価格フィールドに手入力の値が反映

メリット
✅ 基本的にはルックアップで自動入力されるため、都度入力する手間が省ける
✅ ルックアップに加えて手入力も可能なので、状況によって価格を変更できる
デメリット
❌ 誤ってルックアップ価格と手入力価格の両方に値を入れると、ルックアップの方を反映させたい場合でも、無条件に手入力価格が最終価格に反映されてしまう
❌ ユーザー視点で「どの値が使われるのか?」を判断しづらい
この方法では、手入力価格フィールドに値が入っているかどうかを基準に最終的な価格を出し分けます。
確かに手入力はできるものの、上記のようなデメリットがあるため、実際に運用するにあたっては不便な部分もあるように感じます。
そこで、自動計算をもう少し工夫して活用してみましょう!
選択肢によってIF関数で切り替える
先ほどの方法では、ルックアップと手入力が混在した際に混乱を招く可能性がありました。そこで、 「どちらの価格を使うか」を明示的に指定するための選択肢を用意することで、より分かりやすくすることができます。
今回はラジオボタンを利用して、以下の設定を行います。
手順

①「価格選択」フィールド(ラジオボタン) を作成し、以下の選択肢を設定
・「ルックアップ価格」
・「手入力価格」
②「価格」フィールド に以下のIF関数を設定
IF(価格選択 = "ルックアップ価格", ルックアップ価格, 手入力価格)

メリット
✅ ユーザーが「どの価格を適用するのか」を容易に切り替えることができる
✅ ルックアップと手入力の値が混在する問題を防げる
このように、ラジオボタンやチェックボックスなどの選択肢フィールドを利用して、選択肢フィールドで「どの項目を選択したのか」を自動計算に組み込むことで、ユーザーが簡単に計算の条件を切り替えることが可能になります。
まとめ
今回は、選択肢フィールドを活用したkintoneの自動計算の活用方法を、ルックアップを使用する際のお悩みを例にご紹介しました。
この活用方法は、今回の「ルックアップ価格 or 手入力価格」以外にも、
・選択肢によって異なる割引率を適用し、価格を自動で調整する
・残業区分に応じて手当を自動で適用する
など、さまざまなシーンで役立てることができます。
選択肢フィールドを組み合わせることで、自動計算の活用の幅は大きく広がります。
今回の方法を参考に、ぜひkintoneをより便利にカスタマイズしてみてください!
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